翻訳家列伝≪大活躍!スーパーウーマン≫

確かに近年、ビデオソフトの普及で、字幕翻訳の需要はグンと高まっている。

ほんの5,6年前の劇場映画オンリーの時代とは大きく変わった。

でも、単なるあこがれだけではハッキリいってダメなんだな。

現実はどんなものか、ちょっと見てみよう。

  
今、一番活躍してる、文字通りの“スーパーウーマン”は戸田奈津子さん。

『インディー・ジョーンズ』シリーズや“007”もの、今から話題を呼んでいる

『バットマン』など、銀座や新宿、渋谷のでかいロードショー館の映画の翻訳は、

ほとんど彼女が手がけている。

  

変人ロバート・デ・ニーロや名優ダスティン・ホフマンとTVには出るし、

メル・ギブソンやシュワルツェネッガーと「笑っていいとも」には出るし、

まさに向かうところ敵なし、八面六ピの大活躍!では、このスーパーウーマンのプロフィールは・・・?  

  

戸田さんは英語の名門・津田塾大英文科卒。

映画が大好きで、一度はOL体験もしたが、すぐに映画を恋人と決めた。
といって、すぐ翻訳家になれたのではない。まず最初は洋画会社の宣伝部に渡りをつけ、

英文パンフの翻訳をしたり、外国のスターや監督が来日すると通訳やアテンダント(付添い)

を買って出たりし・・・。初めて字幕の仕事をもらうまで、十年以上の下積みをされている。

   
そのきっかけは、フランシス・コッポラ監督の通訳をしていて、

「字幕翻訳をやりたい」といったら「よっしゃ、ほんならオレの新作をやってみい」(?)

ということになり、M・ブランド主演の超大作『地獄の黙示録』で華々しくデビューした。

(デビュー作がお尻から水をピューッと出すポルノだった当スーパーマンとはエライ違いだね)

  

  

本文は菊地浩司が20数年前に「プレイコミック」という漫画雑誌に映画翻訳家の舞台裏をコラムとして掲載していた時のものです。本文に一部適切ではない表現がございますことをご了承ください。